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 「高校野球」 マリー・アントワネット    ..2004/08/16

「街で女の子を見るだろ、すると20歳の子でも年上に見えちゃう。たとえ自分が50歳でも、
16歳の少年の目で眺めているから、誰でもみんなオネーサンなんだな。」(立川談志の言葉。
8月1日付朝日新聞朝刊より無断借用。)
 
 高校野球が始まると、夏もそろそろ終わりかな、と思う。
そして高校野球のテレビ中継を見ていると、過去にタイムスリップしたような気になる。
それも何十年前の、小学生の女の子に戻ってしまうのだ。

 田舎の祖父母の家。湿っぽい木造家屋に漂う線香の匂い。ダラダラ続く夏休みの後半、
まだ「宿題やらなきゃ」と焦るには早い(と思っている)。
お昼のソーメンなんかすすりながら、親や祖父母が熱心に見ているソレは何だろうと不思議に
思いつつ、これだけ皆が関心を寄せるからには重要なことに違いない…そうしてTVに目を向けると、
スタンドの熱気、興奮したアナウンサーの叫び、何よりも高校球児がやたら大人っぽいカッチョイイ
お兄さん達に見えて、キュンとしたものだ。

 なぜかこの気持ちは、TV中継を見たときしか起こらない。しかし実際のところ、高校野球は
年々変わっている。私も年々歳をとっている。でも、スタンドの応援、ブラスバンド、球児の姿、
アナウンサーの話しぶりなど、全体の雰囲気は変わっていない。時間が止まっているような気さえする。

 これを心理学的に分析すれば、幼児期の刷り込み現象とでもいうものだろうか。それにしても
、いい年のオバサンがTVの前で10歳の女の子に戻るというのは(誰に知られずとも)少々
気恥ずかしい。そしてもっと恐れていることは、七十八十のオバアサンになっても高校球児が
素敵なオニーサンに見えるのでは、ということだ。