6 「デザイン小国ニッポン」 風(ふう) ,2002年 3月30日(土)
designという単語を日本語に翻訳するのは難しいそうです。
敢えて訳せば「設計」になるとか。
このことは、日本がデザイン後進国であることを物語っています。
もちろん、優れたデザイナーは日本にもたくさんいますし、決して海外にひけを
とっている訳ではありません。私が言及したいのは、ごく身近な、日常生活にお
けるそれなのです。
例えば、家電のデザイン。
「白モノ家電」という言葉があるくらい、「家電=白い」という固定観念から、
家電メーカーは未だに抜け出せません。色だけじゃなく形も丸っこくて、
お世辞にも私たちの暮らしや生活空間を豊かにするものとは言い難い。
最近、デザインに敏感な若者を中心に、洗練された輸入家電の売れ行きが
好調であるという出来事も、当然の成り行きかもしれません。色んなしばりがあるとは思うのですが、
もうちょっと頑張ってほしい。
まだあります。
例えば、どの住宅にもある巾木(壁と床の接合面にある巾10cm位の木。
壁と床の接合面の不具合を隠す・壁の汚れを防ぐという一応の役目がある)。
皆さんのご家庭の巾木って、何色ですか。壁は白で床は茶色、巾木も茶色という家庭が
多いのではないでしょうか。
もしこの巾木が壁と同じ色なら、部屋がもっとスッキリすると思いませんか。
あるいはないほうがいいと思いませんか。まあこれは、日本の住宅に限ったことではありま
せんが。

まだあります。駅の案内板のフォントなども、安っぽいもので溢れ
ています。市営地下鉄はフルティガーを使っておりまだましですが、
ウェイトや文字組みなどが今ひとつ美しくありません。一流デザイナ
ーは、ミリ単位でピッチを変えて美しく見せる努力をしているのです。
なぜ一流じゃないところで作ったとたん、こうも陳腐なものが出来上
がってしまうのか、不思議でしょうがない。数え上げたらきりがない
くらい、陳腐なデザインで溢れるニッポン。
なぜ、もっとまともなデザインがでてこないのでしょうか。
これは、冒頭で触れたデザインという概念の発展が遅れたことに
大きな理由があるのだと思います。「どれが美しく見えて、どういった
ものがそうではないのか」という判断をする「センス」を私たちが幼少の頃から培ってこなかった
からではないかと。この「センス」というものがポイント。とっても大事なのです。「ファッション
センスがいい」という言葉がありますが、なにもこれはうまれもった才能ではなくて、培ってき
て初めて宿るものなのです。よいファッションをたくさん見る経験をつんで、よしあしを判断する
センスを身につけているのです。
では、身の回りに優れたデザインのモノが少なければどうなるでしょうか。
そうした環境で育った子が大人になり、白モノ家電をつくる人になる。
あるいは、親となって自分の子どもには、特にデザインを意識しないものを買い与え
そうしたものに囲まれた生活を送らせる…。堂々巡り。
このスパイラルが、日本を今のような状況にしてしまっているのです。
デザインに重きを置かない・置けない風土が出来上がってしまっているのです。
でもだからと言って、解決する即効薬が見つからないわけで。
こうして私の鬱憤が、たまっていってしまいます。どうにかなりませんかね。
愚痴っぽくなってすみません。
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